「むろちゃん、ドライバーの飛距離を伸ばすにはさー、やっぱりヘッドスピードかな?」
レッスンなどでもよく受ける質問ですね。わたしもそうやって思っていた時期、ずいぶん長くありました。ゴルフを始めたころ(遠い目)。
そんな質問を受けた時、ほとんどの場合わたしはこう即答します。
「今のドライバーの飛距離を伸ばしたい場合、ヘッドスピードのアップが優先順位のいちばんになる方はほとんどいません」
です。はい。
どういうことかと言うと、まず最初に、
飛んでいくのはボールなので、まずはボールのスピードを速くすることから考えましょう。ということです。
「むろやー!そんなことは分かっとるわー!」という声が聞こえてきそうですが、まぁ、落ち着いて一緒に読み進めましょう。ね。
では例えばドライバーでの話。みなさん自分のドライバーのヘッドスピード、なんとなくでも良いので把握してますか?
ここでは、わかりやすく40m/sとしましょうか。そうすると、一般的に言われている、ボールスピードの最大値は60m/sです。ヘッドスピードの1.5倍がおおよその最大値です。
では、どういう時にこの最大値が出るのか。そして、飛距離を【伸ばす】のにヘッドスピードのアップが必要なのはいつなのか。
まずは最大値が出る条件。いろいろと条件はありますが、
・クラブフェースの芯でとらえている
・ボールが曲がっていない(いわゆるサイドスピンが少ない)
ひとまずはこのくらいです。あ、余談ですが、サイドスピンっていうのは概念です。ボールの回転軸はひとつしかないので、正確には【回転軸の傾きが○○°でボールが回転している】というような表現であらわします。これはまた他の記事で書きますかね。
これをひとまず目指さなきゃいけないです。今のヘッドスピードで。要はですね、【飛ばない】のではなくて、【しっかり自分のポテンシャルを出し切ってない】だけの方が多い、ということです。当たってないから飛びきっていない。どれだけヘッドスピードが速くなろうと、それを活かせるインパクトができないとボールさんも飛んでくれないわけです。曲がってるボールがちょっと曲がらず飛ぶだけで、飛んでいなかった分を取り戻せるんです。ヘッドスピードのアップを考えるのはそのもうちょっと先のオハナシ。ひとくちにヘッドスピードのアップとはいっても、なかなか大変ですよ。順序よく行きましょうね。
なんとなくイメージ湧いてきましたか??
それでは実際に練習でのお話。
まず練習では、右だろうが左だろうが、方向はひとまず気にしない。芯でとらえてボールが曲がらずに飛んでいくように練習です。自分のポテンシャルを出し切る練習から。です。
芯でとらえられているかのチェックには、こういった【ショットマーカー】のようなものがあると便利ですね。フェースにペタッと貼るだけ。ザ、お手軽。
ショットが曲がらず飛んでいるかのチェックは、インドアの練習などでシミュレータを使える方はシミュレータで確認もできますし、屋外での練習でそういった機器のない環境でも、最近のスマートフォンのアプリはいろいろとあります。
https://apps.apple.com/jp/app/golf-shot-tracer/id1317550678
https://apps.apple.com/jp/app/shot-tracer/id1140451547
後方から撮影すると、飛んでいったボールの奇跡軌跡をなぞってくれるんですね。こういったモノをうまく使いながらチェックもできたりします。
便利になりましたねー。
こうやって練習しながら、
【芯でしっかりとらえて曲がらないボール】が打ててきたら、次のステップです。
→自分の飛ばしたい方向にボールを飛ばす練習。この記事も参考にしてください。
→高すぎても低すぎてもよくないので、ボールの高低のコントロール
こうやってグルグルいろんな練習をしていって、
【現状のヘッドスピードでの最大飛距離を自分の飛ばしたい方向に打てる確率が高まってきた】後に、「もう少し飛ばしたい!」となれば、そこで【ヘッドスピードをアップする】練習などの順番になるわけですね。自分の飛ばしたい方向に自分のポテンシャルを発揮できる【技術】や【感覚】が身についてきたら、ヘッドスピードなどの【ポテンシャル】のアップを考えてもよいでしょう。
こうやって書いていくと、ずいぶん遠い道のりだなーと思うじゃないですか。でもですね、こういう風に飛距離を伸ばしていった方のほうが、ゴルフ自体の上達も早い方が多いです。2006年からのゴルフコーチとしての経験上ですが。
ですので、しつこく書くようですが、
【まずは、今の自分のポテンシャルを発揮しきる】
ここから一緒にやっていきましょう!