こんにちは、室屋修一です。
ゴルフが上手くなったかどうか。
これを判断するとき、多くの人が最初に見るのはスコアだと思います。
100を切った。
90を切った。
ベストスコアを更新した。
もちろん、これらはとてもわかりやすい上達の証拠です。
僕もラウンドの内容を見るとき、当然スコアは確認します。
でも、長くいろいろな方のゴルフを見ていると、
スコアにはまだ大きく表れていないけれど、この人は確実に上手くなってきているな
と感じることがあります。
では、僕は何を見てそう感じるのか。
ものすごいナイスショットが増えたからでもありません。
バーディーが増えたからでもありません。
僕が意外と気にしているのは、
「普通にプレーできたホールが増えているか?」
ということです。

ゴルフには「すごく良い」と「すごく悪い」が必ずある
18ホールもプレーしていれば、いろいろなことが起きます。
会心のドライバーショットが出る。
長いパットが入る。
思いがけずチップインする。
逆に、
OBを打つ。
バンカーから出ない。
何でもないところからダフる。
短いパットを外す。
こういうこともあります。
これは、ある程度仕方ありません。
上手い人だってミスはしますし、ときには普段なら考えられないようなミスもします。
反対に、普段ならなかなかできないようなスーパーショットが出ることもあります。
だから、
「今日はバーディーがあったから上手くなった」
とも言い切れないし、
「今日はOBを2発打ったから下手になった」
とも言い切れません。
僕がもっと見たいのは、その両端の間です。
「何も起こらなかったホール」を見てみる
たとえば、こんなホールです。
ティショットはフェアウェイ、もしくは少しラフ。
セカンドショットはグリーンには乗らなかったけれど、グリーンの近くまで運べた。
そこから1回でグリーンに乗せる。
2パットでボギー。
これ、たぶんラウンドが終わったあとにはほとんど覚えていません。
ナイスショットを連発したわけでもない。
長いパットが入ったわけでもない。
チップインしたわけでもない。
でも、大きなミスもしていない。
何事もなく次のホールへ行った。
僕はこういうホールが、実はすごく大事だと思っています。
なぜならゴルフの上達って、
「ものすごく良いプレー」を増やすこと以上に、「特に何も起こらないプレー」を増やしていくこと
でもあるからです。
実際の91というラウンドでも感じたこと
最近、ある方からラウンドのスコアを送ってもらいました。
トータルは91。
その中にはOBやペナルティもありました。
50ヤード以内からグリーンに乗るまで複数回かかってしまった場面もありました。
一方で、25ヤードくらいからチップインしてバーディーになったホールもありました。
まさに、
「すごく良い」
と
「すごく悪い」
の両方があったラウンドです。
ゴルフですから、こういうことは普通にあります。
でも、僕が最近その方のラウンドを見ていて感じていたのは、そこではありませんでした。
以前に比べると、
ものすごく良いホールと、ものすごく悪いホールの間にある「平均的なプレー」が増えてきた
ように見えるんです。
ティショットをそこそこ打つ。
次もそこそこ。
グリーン周りまで来る。
そこから大事故を起こさずホールアウトする。
そんなホールです。
チップインバーディーほど印象には残りません。
でも僕は、こちらの方を上達のサインとしてかなり大事にしています。
上達すると「最高のプレー」より「普通」が変わってくる
これは練習場でも同じです。
10球打ったとします。
そのうち1球だけ、ものすごく良い球が出た。
「これだ!」
と思う。
気持ちはすごくわかります。
でも、本当に上達してきたときに変わるのは、最高の1球だけではありません。
むしろ、
残りの9球が少しずつマシになってくる。
以前なら、
1球は最高。
3球はまあまあ。
3球はちょっとミス。
3球は大ミス。
だったものが、
1球は最高。
5球はまあまあ。
3球はちょっとミス。
大ミスは1球。
そんなふうに変わってくる。
最高の1球はそれほど変わっていないかもしれません。
でも、全体としては明らかに上手くなっています。
コースでも同じです。
「大ミスがゼロ」じゃなくてもいい
ここも結構大事です。
上手くなってくると、
「OBをゼロにしたい」
「3パットをゼロにしたい」
「ダブルボギーをなくしたい」
と考えるようになります。
もちろん、それができれば素晴らしい。
でも、最初からゼロにしなくてもいいと思っています。
OBが3発だった人が1発になる。
グリーン周りから2回、3回とかかっていた場面が減る。
トリプルボギーが4つあった人が1つになる。
それだけでも十分大きな変化です。
ゴルフでは、
ミスを完全になくすより、ミスしたあとの被害を小さくする方が現実的
だったりします。
ティショットを曲げても、次にフェアウェイへ戻せる。
グリーンを外しても、とりあえず1回で乗せる。
長いパットが残っても、大きくオーバーしたりショートしたりせず次で終えられる。
そういうプレーが増えてくると、大崩れするホールが少しずつ減っていきます。
そして、その間を埋めるように「普通のホール」が増えてきます。
スコアが同じでも、中身は全然違う
たとえば、同じ95でも中身は違います。
ある日の95は、
パーがいくつかある。
でも、トリプルボギーやそれ以上も何ホールかある。
ものすごく良いホールと、ものすごく悪いホールを行ったり来たりして95。
別の日の95は、
バーディーもない。
スーパーショットもほとんどない。
でも、大崩れもしない。
ボギーを中心に、ときどきパー、ときどきダブルボギー。
結果は同じ95です。
でも僕なら、後者の95にかなり可能性を感じます。
なぜなら、
再現できそうなプレーの割合が増えているから
です。
ベストスコアというのは、いろいろなものが噛み合った日に出ることがあります。
ドライバーが良かった。
アプローチも寄った。
パットも入った。
もちろん、それも実力です。
でも毎回すべてが噛み合うわけではありません。
長い目で見たときに大事なのは、
絶好調の日にどこまで良いスコアを出せるかだけではなく、
普通の日にどのくらいのゴルフができるか
だと思います。
悪い日のスコアが変わってきたら、それも上達
これは僕がかなり大事だと思っているところです。
調子の良い日ではなく、
調子の悪い日にどうなるか。
以前なら、ショットの調子が悪くなると105だった。
それが最近は、同じように調子が悪くても99くらいで回れる。
最高のスコアはそれほど変わっていない。
でも、悪い日のスコアが少しずつ良くなっている。
これは立派な上達です。
言い換えると、
ゴルフの「底」が上がっている。
調子が良ければ90。
普通なら95。
悪ければ105。
だった人が、
調子が良ければ89。
普通なら93。
悪くても99。
になっていたら、ベストスコアは1打しか変わっていません。
でもゴルファーとしては、かなり変わっています。
「調子」と「実力」を少し分けて考える
ゴルフを続けていると、
ものすごく調子が良い時期があります。
何をやっても上手くいく。
ドライバーも曲がらない。
アイアンも当たる。
パットも入る。
反対に、
「今日は何をやってもダメだな」
という日もあります。
これは誰にでもあります。
でも、
調子が悪い=下手になった
ではありません。
同じように、
調子が良い=急に上手くなった
とも限りません。
調子は上下します。
その上下を繰り返しながら、全体の平均が少しずつ上がっていく。
ゴルフの上達って、そんなものだと思っています。
一直線に右肩上がりになるわけではありません。
良い時期がある。
悪い時期がある。
また良くなる。
その波の中で、
以前より「普通にできること」が少しずつ増えている。
そこを見ることが大切です。
ベストスコアだけを見ていると、成長を見失う
ゴルフを一生懸命やっている人ほど、
「最近ベストが出ていない」
ということを気にします。
練習している。
ラウンドもしている。
なのにスコアが変わらない。
すると、
「練習方法が間違っているのかな」
「スイングを変えた方がいいのかな」
「もっと新しいことをやらなきゃいけないのかな」
となってしまう。
でも、その前に一度ラウンドの中身を見てほしいんです。
OBは以前より減っていないか。
グリーン周りから1回で乗ることが増えていないか。
トリプルボギーが減っていないか。
何でもないボギーが増えていないか。
以前なら難しいと感じていた状況を、普通に処理できるようになっていないか。
もしこういうことが起きているなら、
新しいことを始めるより、
今やっていることをもう少し続けた方がいい
可能性があります。
上達している途中なのに、数字にまだ表れていないだけかもしれません。
次のラウンドで一つだけ見てほしいこと
そこで次にラウンドするとき、スコア以外に一つだけ見てみてください。
「今日は普通にプレーできたホールが何ホールあっただろう?」
これです。
もちろん「普通」の基準は人によって違います。
70台で回る人と100を切ろうとしている人では違って当然です。
100切りを目指しているなら、
ティショットを大きなトラブルにしない。
グリーンの近くまで運ぶ。
アプローチを1回で乗せる。
そこから2パット、あるいは3パットで終える。
それでも十分「普通にプレーできたホール」と考えていい場合があります。
90切りを目指しているなら、その基準はもう少し上がるでしょう。
大事なのは、
他人の普通ではなく、
今の自分にとって再現できそうなプレー
が増えているかどうかです。
「普通」が増えた先にベストスコアがある
ゴルフは、ある日突然すべてが上手くなるゲームではありません。
スーパーショットが急に18ホール続くようになるわけでもありません。
むしろ、
OBだったものがラフに残る。
2回かかっていたアプローチが1回で乗る。
3パットだったものが2パットになる。
トリプルボギーだったホールがダブルボギーになる。
ダブルボギーだったホールがボギーになる。
そんな小さな変化が積み重なっていきます。
一つひとつは地味です。
だから本人は、なかなか気づきません。
でも、その地味な変化によって、
18ホールの中に「何も起こらなかったホール」が少しずつ増えてくる。
5ホールだったものが7ホール。
7ホールだったものが10ホール。
10ホールだったものが12ホール。
そしてある日、
その普通のホールがたくさん並んで、
そこにいくつか良いプレーが加わる。
そのとき、ベストスコアが出たりします。
だから、
ベストスコアは上達そのものというより、積み重ねてきた上達が数字になって現れた日
と考えてもいいのかもしれません。
最近ベストスコアが出ていない人ほど、次のラウンドではスコアカードの数字だけではなく、
「何も起こらなかったホール」
を数えてみてください。
派手なナイスショットよりも、
何事もなく次のティーへ歩いていける。
そんなホールが以前より増えていたら、
あなたのゴルフは、自分が思っている以上に上手くなっているかもしれません。