こんにちは、室屋修一です。
ゴルフではよく、
「逆算してプレーしましょう」
と言われます。
ティーショットを打つ前に、次にどこから打ちたいかを考える。
セカンドショットを打つ前に、どこからアプローチを打ちたいかを考える。
アプローチを打つ前に、どこへ外しても大丈夫かを考える。
確かに、これはとても大切な考え方です。
僕も、ゴルフを上手にプレーしていくうえで「逆算」はかなり重要だと思っています。
ただ、レッスンの現場でいろいろな方を見ていると、少し補足したくなることがあります。
それは、
逆算は、誰でも最初からできるものではない
ということです。
もっと言えば、
逆算できるようになるには順番がある
ということです。
いきなり「逆算しましょう」と言われても、実際のコースではなかなかできません。
なぜなら、逆算するためには、
- 自分のショットの傾向
- 自分の苦手な場所
- 自分が安心して打てる距離
- 自分のゲームの流れ
を理解している必要があるからです。
今回は、その話をしてみたいと思います。
音声バージョンはこちら↓
目次
多くの人は「結果」しか見ていない
ラウンド後にスコアカードを見返すと、
「今日はアプローチがダメだった」
「バンカーで2回打ってしまった」
「パットが入らなかった」
そんな反省が出てきます。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
自分のラウンドを振り返ることはとても大切です。
ただ、ここで気をつけたいのは、
スコアカードに残っているのは結果だけだということです。
例えば、
アプローチを2回打ったホールがあったとします。
多くの人は、
アプローチが悪かった
↓
アプローチを練習しよう
と考えます。
もちろん、それも半分は正解です。
でも、半分は足りません。
本当に考えたいのは、
なぜそのアプローチが残ったのか?
ということです。
本当にアプローチが原因だったのか?
例えば、
グリーン横の難しいバンカーに入ってしまった。
そこから1回で出せず、もう1回打った。
結果としてダブルボギーになった。
この場合、表面的には
「バンカーが下手だった」
「アプローチが悪かった」
ように見えます。
でも、もう一段深く考えると、
そもそも、
なぜそのバンカーに入ったのか?
という問いが出てきます。
ティーショットの置き場所はどうだったのか。
セカンドショットの狙い方はどうだったのか。
クラブ選択は適切だったのか。
もっと安全な選択肢はなかったのか。
ここまで戻って考えると、
アプローチのミスに見えていたものが、
実は1つ前のショットの問題だったり、
2つ前のショットの問題だったりすることがあります。
ゴルフは流れのゲーム
僕は、
ゴルフはショットのゲームというより、
流れのゲーム
だと思っています。
ティーショット。
セカンドショット。
サードショット。
アプローチ。
パット。
これらは別々に存在しているように見えて、
実際には全部つながっています。
そして、
その1ホールが積み重なって9ホールになり、
18ホールになります。
だから、
アプローチだけを切り取って考えても、本当の原因が見えないことがあります。
ゴルフは常に流れています。
その流れの中で、
どこで難しい状況を作ってしまったのか。
どこで流れを壊してしまったのか。
そこを見ることが大切です。
「悪かった部分を練習する」から卒業する
初心者の頃は、
悪かった部分を練習することも大切です。
ドライバーが曲がった。
だからドライバーを練習する。
アプローチが寄らなかった。
だからアプローチを練習する。
パットが入らなかった。
だからパットを練習する。
最初はそれでいいと思います。
でも、ある程度ゴルフを続けてきた人は、
そこから少しずつ卒業していく必要があります。
なぜなら、
ゴルフは
悪いショットを減らすゲーム
でもありますが、
同時に
悪い状況を作らないゲーム
でもあるからです。
アプローチが苦手ならアプローチを練習する。
それも大切です。
でも、
難しいアプローチを残さないようにプレーする。
その視点も同じくらい大切です。
逆算は最初からできるものではない
ここで最初の話に戻ります。
「逆算してプレーしましょう」
という言葉は正しいです。
でも、
逆算は誰でも最初からできるものではありません。
例えば、
ティーショットがどこへ飛ぶか分からない。
セカンドショットも毎回バラバラ。
アプローチもその日によって変わる。
そんな状態で、
「次のショットを逆算しましょう」
と言われても難しい。
なぜなら、
逆算とは未来を予測することだからです。
未来を予測するには、
材料が必要です。
逆算には材料が必要
自分のドライバーはどのくらい曲がるのか。
ユーティリティはどのくらいの範囲に収まるのか。
どんなライが苦手なのか。
どんなアプローチが安心なのか。
どの方向へミスしやすいのか。
こうした情報が頭の中に入っていないと、
逆算しようにもできません。
だから、
上手い人が逆算できるのではなく、
自分の傾向を知っている人が逆算できる
のだと思います。
上達には順番がある
僕が20年近くレッスンをしてきて感じるのは、
上達には順番があるということです。
まずは、
ティーショットを大きく壊さない。
次に、
セカンドショットを大きく壊さない。
その次に、
アプローチがしやすい場所を選べるようになる。
そして最後に、
その場所から逆算してプレーできるようになる。
この順番です。
だから、
逆算できないことを悩む必要はありません。
まだその段階ではないだけかもしれません。
練習にも「相関性」がある
ここで練習の話をしてみます。
僕は、
練習にはコースとの相関性があると思っています。
つまり、
練習したことがどれだけコースに反映されやすいか
ということです。
例えば、
ユーティリティやアイアンの練習。
これは比較的コースとの相関性が高いです。
練習場でやったことが、
そのままティーショットやセカンドショットに反映されやすい。
一方で、
アプローチは少し違います。
練習場で30ヤードを何十球打っても、
コースでは
18ヤードだったり、
43ヤードだったり、
62ヤードだったり、
73ヤードだったりします。
さらに、
- 傾斜
- 芝
- ライ
- プレッシャー
も違います。
つまり、
アプローチは練習場とコースとの相関性が低い部分があるんです。
だから、
今の段階で何を優先するべきかを考える必要があります。
相関性の高い練習から整える
もし、
毎回アプローチが難しい場所からになっているなら、
アプローチそのものよりも、
アプローチしやすい場所へ運ぶ練習
の方が効果的かもしれません。
ティーショットを安全に打つ。
セカンドショットを大きく壊さない。
無理にピンを狙わない。
そうした練習の方が、
次のラウンドで成果を感じやすいことがあります。
アプローチは毎回「未経験」
アプローチが難しい理由は、
毎回条件が違うからです。
同じ30ヤードでも、
平らな30ヤードと左足下がりの30ヤードは全く違います。
芝も違う。
ライも違う。
ピン位置も違う。
だから、
アプローチは毎回どこか未経験なんです。
過去の経験を引っ張り出して、
その場で判断している。
だからこそ、
アプローチを完璧にすることより、
難しいアプローチを減らすことの方が重要になることがあります。
予測可能なショットを増やす
ここで大事になるのが、
予測可能性です。
僕は、
上達とはナイスショットが増えることではなく、
予測できることが増えること
だと思っています。
このクラブならこの辺に飛ぶ。
ミスするとしたら右へ行く。
この番手は少しダフリやすい。
そういう傾向が分かると、
ゲームを組み立てられるようになります。
ショットマーカーで見るべきもの
だから僕はショットマーカーも活用します。
ここで見たいのは、
ナイスショットではありません。
見たいのは、
傾向です。
- ヒール寄りなのか
- トゥ寄りなのか
- ダフリやすいのか
- トップしやすいのか
そして、
それが自分で予測できるかどうか。
そこが重要なんです。
球筋だけで判断しない
多くの人は、
真っ直ぐ行った。
右へ行った。
左へ行った。
だけで終わります。
でも、
それだけでは何が起きたか分かりません。
打点なのか。
フェース向きなのか。
地面とのコンタクトなのか。
これらを分けて見る必要があります。
ここも、
卒業していきたいポイントです。
ナイスショットもミスショットも外れ値
人生最高のショット。
人生最悪のショット。
どちらも外れ値です。
ゴルフは、
最高のショットでプレーするゲームではありません。
平均的なショットでプレーするゲームです。
だから大事なのは、
普段どんなショットが出るのか。
どの範囲に収まるのか。
そこを見ることです。
微調整は悪いことではない
もう1つ。
微調整は悪いことではありません。
人間は毎回同じスイングをすることはできません。
プロだって微調整しています。
少し力を抜く。
少しテンポを変える。
少しフェースを意識する。
そうやって調整しながらプレーしています。
だから、
微調整する自分を否定する必要はありません。
むしろ、
何を変えると何が起きるのか。
それを知ることが大切です。
ゴルフが上手い人とは
僕は、
ゴルフが上手い人というのは、
ボールを上手に打てる人ではなく、
自分のゲームの流れを壊さない人
だと思っています。
無理をしない。
自分の傾向を知っている。
予測できる範囲でプレーする。
難しい状況を避ける。
だからスコアが安定します。
まとめ
ゴルフはショットのゲームだと思われがちです。
もちろんショットは大切です。
でも僕は、
ゴルフとはショットを積み重ねながらゲームを作っていくスポーツ
だと思っています。
だから上達とは、
ナイスショットが増えることではありません。
自分のゲームを理解し、
自分の傾向を知り、
自分で予測できることを増やしていくことです。
そして、
悪かった部分をただ練習する段階から卒業していくことです。
その積み重ねの先に、
「ここから打ちたいから、あそこへ運ぼう」
という考え方が自然と生まれてきます。
それが本当の意味での逆算です。
逆算は知識として覚えるものではありません。
自分のゲームが見えてきた先に、
自然とできるようになるものです。
僕はその状態こそが、
単にボールを打つゴルフから、
ゲームを組み立てるゴルフ
へ進んでいくことだと思っています。