こんにちは、室屋修一です。
ゴルフを長くやっていると、不思議なことがあります。
「ユーティリティだけ右へ飛ぶ。」
「ドライバーだけ突然曲がる。」
「アプローチだけトップする。」
本人に聞くと、
「このクラブが苦手なんです。」
という答えが返ってくることがよくあります。
でも、20年近くレッスンをしてきて、何千ホールもラウンドを見てきた僕は、その言葉をあまりそのまま受け取らなくなりました。
本当に苦手なのは、そのクラブなのでしょうか。
僕は、そうではないことの方が多いと感じています。

ミスショットには、必ず「きっかけ」があります
ゴルフのミスは突然起きるように見えます。
でも実際には、その前に何かが起きています。
例えば、
- 前下がりのライだった。
- 少し深いラフだった。
- 池が見えていた。
- グリーンに乗せたい気持ちが強かった。
- 前のホールでOBを打った。
- バーディーパットを外した直後だった。
こういう条件が重なると、人は無意識に反応します。
テンポが少し速くなる。
切り返しが早くなる。
力が入る。
逆に、緩む。
本人はまったく気づいていません。
「いつも通り打った。」
そう思っています。
でも、実際にはいつも通りではないんです。
練習場では打てるのに、コースでは打てない理由
これもよく聞く相談です。
「練習場では真っすぐ飛ぶのに、コースだと右へ行く。」
もしスイングそのものが原因なら、練習場でも同じようにミスをするはずです。
でも、そうではありません。
ということは、
原因はスイングではなく、環境にある可能性が高い。
コースには、
傾斜があります。
風があります。
景色があります。
OBがあります。
池があります。
スコアがあります。
そして、
「ここは乗せたい。」
「ここだけは曲げたくない。」
そんな感情があります。
練習場とコースの違いは、技術ではなく情報量なんです。
人は、その情報に反応してしまいます。
「ユーティリティが悪い」のではない
以前、ある会員さんがこんな相談をしてくれました。
「ユーティリティだけ右へ飛ぶんです。」
もちろん、クラブとの相性もゼロではありません。
でも僕は、
「どんなときに右へ飛ぶんですか?」
と聞きました。
前下がりですか?
ラフですか?
フェアウェイですか?
170ヤードですか?
グリーンを狙っていますか?
安全に刻もうとしていますか?
前のホールはどうでしたか?
その質問をしている理由は一つです。
右へ飛ぶことより、右へ飛ぶ条件を知りたいからです。
実は、クラブは関係ないかもしれません
面白いことがあります。
同じ人でも、
数年前はバンカーに悩んでいた。
その後はアプローチ。
最近はユーティリティ。
またしばらくするとドライバー。
こんなことが本当によくあります。
もしクラブが原因なら、
悩みはずっと同じクラブのままのはずです。
でも実際には、
悩みの対象は変わります。
ということは、
問題はクラブではなく、
その人が無意識に反応してしまう”条件”
なのかもしれません。
だからクラブを替えて一時的によくなっても、
また別の形で同じようなミスが顔を出すことがあります。
ゴルフは「自分の取扱説明書」を作るゲーム
僕は、ゴルフ40年になります。
それでも、
半年くらい同じミスが続くことがあります。
気づいたら消えていることもあります。
また数年後に戻ってくることもあります。
だから、
「ミスをゼロにしよう。」
とは思いません。
それよりも、
「どういう条件でこのミスが出るのか。」
これを知っておく方がずっと大切です。
僕にとっては、
それが自分の取扱説明書です。
メモするのはスイングではありません
ラウンドが終わったら、
ナイスショットだけではなく、
ミスショットも思い出してみてください。
そして、
「なぜミスしたか。」
ではなく、
「どんな条件だったか。」
を書いてみてください。
例えば、
- 前下がりだった。
- 池越えだった。
- ラフだった。
- 170ヤードだった。
- 右だけはダメだと思っていた。
- 前のホールでダブルボギーだった。
最初は、それだけで十分です。
何ラウンドか続けるうちに、
「あれ、この条件のときにいつも同じミスをしている。」
そんな発見が出てきます。
その気づきは、
スイング理論を一つ覚えるよりも、
あなたのゴルフを長く支えてくれる財産になります。
ゴルフは、自分を知るスポーツ
ゴルフは、ボールを打つスポーツである前に、
自分自身を知るスポーツなのかもしれません。
どんな場面で焦るのか。
どんな状況で力むのか。
どんな景色を見るとテンポが変わるのか。
それを知ることができれば、ミスは突然起きる出来事ではなくなります。
理由のある現象になります。
そして理由が分かれば、対処の方法も見えてきます。
だから次のラウンドでは、ナイスショットの数だけでなく、
「今日はどんな条件で自分が反応したのか。」
そんな視点でも、一日を振り返ってみてください。
きっと、これまでとは違うゴルフが見えてくるはずです。