こんにちは、室屋修一です。
ゴルフのスイングにおいて「基礎が大事だ」「基本に立ち返れ」とよく言われます。でも、そう言われて指導される内容はというと──
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「グリップはこう」
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「肩はここまで回して」
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「インサイドから下ろすべし」
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「クラブフェースはスクエアに」
……といったように、指導者によって言うことがバラバラです。
しかも、それぞれの理論が「これが正解です」とばかりに断言されると、受け取る側はどんどん混乱してしまう。
でも実は、これらの指導ってほとんどが例外だらけの方法論なんです。
つまり、「こうした方がうまくいきやすいよ」という“傾向”の話であって、絶対的な原理ではない。
そこで僕は、2006年にレッスンの仕事を始める時、本質的にブレない「基礎」と「基本」の定義が必要だと思うようになりました。
✅ 「基礎」と「基本」はまったく別物
僕の定義はこうです。
基礎とは:テンポ、タイミング、バランス
基本とは:振りたい速さで、当てたいところに当てて、飛ばしたい方向にフェースを向けること
もう少し分解すると:
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テンポ:速すぎても、遅すぎても、スイングの再現性が落ちる
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タイミング:リズムの中でどこで力を出すか。クラブを「走らせるタイミング」や「切り返しの間」。テークバックのスタートのタイミング、切り返しのスタートのタイミング、インパクトのタイミング。
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バランス:軸がぶれていたり、足元が不安定だと、どんな理論も台無し
この3つは、どんなスイング理論にも共通する土台です。
そしてその土台の上で成立するのが「基本」=インパクトの実現条件です。
たとえば:
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速く振っても当たらなければ意味がないし、
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芯に当たってもフェースがズレていればスライスになる
つまり、「基本」というのは「どんなスイングであってもここは外せない条件」のこと。
✅ 多くの理論が“混乱”を生む理由
世の中にあるレッスン動画や雑誌記事の多くが、実は「手段」を「目的」のように語っています。
たとえば:
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「シャローに下ろそう」=手段
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「インパクトで芯に当たる」=目的
でも、スイングプレーンをシャローにしても、芯に当たらなければ意味がありません。
しかも、ある人にとってはシャローが良くても、別の人にはフラットすぎてミスになることもある。
だから僕は、あらゆる技術を「再現性の高いインパクトを得るためのツール」として位置づける視点を大事にしています。
✅ 芯を食うスイングは「形」ではなく「土台」で決まる
よく「プロみたいに振りたい」「動画で見たあの形を真似したい」と言う人がいます。でも、僕のレッスンを受けた人にはこう言います。
「その形を真似して、ちゃんと当たりますか?」
大事なのは、“どんなふうに見えるか”じゃなく、“どう当たっているか”。
そして芯を食える人たちは、例外なく「テンポ・タイミング・バランス」が優れています。
実際、YouTubeで活躍しているコーチたち(僕も含めて)を観察してみてください。みんなたった2〜3球で芯に当て、さらに2〜3球で狙った方向にも飛ばせるんです。
それはなぜか?
「インパクトの感覚」が内側にあるからです。
✅ ゴルフの本質は「当てること」ではなく「再現できること」
ここが本当に大事なポイントです。
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ナイスショットが打てた → 一発芸
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何度もナイスショットが出る → スキル
この「再現性」を生むのが、「基礎」と「基本」です。
「スイングプレーンやポジションは個人差があるが、インパクトの質は誰にとっても最重要である」と言うことですね。
つまり、“どう振るか”ではなく“どう当たるか”に集約されるということ。
✅ インパクトの質を支える「基礎3原則」
では、そのインパクトを再現するために必要なのは?
それが「テンポ」「タイミング」「バランス」です。
これは筋トレでも、ピアノでも、ランニングでも、あらゆる分野で共通する“動作の土台”。
そしてこの3つは、見える化しにくいぶん、意識的にトレーニングしないと育ちません。
でも例えば、テンポ練習の定番「3:1比率」(バックスイング3、ダウンスイング1)は、何十年も前から現代に至るまで、多くのトッププレーヤーに共通するリズムです。
また、タイミングとバランスは「プレッシャーがかかった場面」になると一気に崩れる。
だからこそ、「形」より「テンポとタイミング」を整える練習が大切なのです。
✅ 「基本」は、フェースの向きと打点の一致
じゃあ“基本”って何なの?という話ですが、これはズバリ、
当てたい場所に、フェースを向けた状態で、適度な速さで当てること
これだけです。
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どんなに形がキレイでも、打点がズレれば方向も距離も出ない
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どんなに芯で当たっても、フェースがズレていれば曲がる
つまり、「打点」と「フェース向き」の2つが整ったインパクトこそが、基本の完成形。
だから、レッスンで“基本ができてるか?”をチェックするときは、
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芯で当たっているか(スプレーやショットマーク)
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打ち出し方向が思った通りか(スタートラインの一致)
この2つを見るだけで、ほとんど判断がつきます。
✅ 練習では「形より感覚」を育てよう
ゴルフは“感じるスポーツ”です。
でも現代は“見た目重視”になりすぎています。
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動画でスイングを見て、違いを気にして
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スロー再生して、自分のトップを比べて
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「プロと同じ形にしなきゃ」と悩んでしまう
でも、それで当たるようになりますか?
むしろ逆で、「感覚の土台」がない人が形を変えても、ミスが増えるだけなんです。
だから僕はレッスンでも、まずはこう言います。
「どんな形でもいいので、“芯で当たったときの感触”を覚えましょう」
それが自分の「感覚基準」になるからです。
✅ まとめ:再現性のある“ナイスインパクト”を目指そう
ゴルフにはたくさんの理論があります。
でもそのどれもが、「インパクトを整えるための方法論」にすぎません。
「この形が正解」ではなく、
「この当たりが正解」であることを忘れずに。
そのための僕の定義を、もう一度まとめます。
✅ 基礎 = テンポ・タイミング・バランス
✅ 基本 = 振りたい速さで、当てたいところに当てて、飛ばしたい方向にフェースを向ける
この定義に立ち返るだけで、
スイングの迷いはぐっと減り、「自分の感覚を信じられるように」なります。
あなたのゴルフが、もっと楽に、もっと安定してくることを願っています。
🪄 最後に|「再現性のあるナイスインパクト」を、自分のものにするために
ここまでお読みいただきありがとうございます。
「基礎」や「基本」といった言葉に惑わされず、
自分にとって“再現できる当たり”を育てていく──
この視点を持つだけで、
あなたのスイングづくりや練習の質は、これから間違いなく変わっていくと思います。
でも同時に、こんなふうに感じた方もいるかもしれません。
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「自分のスイングで“再現できてない”のは、どこなのか?」
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「テンポ・タイミング・バランスって、どうやって整えればいいの?」
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「自分が“何を練習すべきか”が、やっぱりよくわからない…」
そんな方に向けて、今回お話しした内容をベースにした【無料講座】を用意しました。
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