こんにちは、室屋修一です。
今回は、スコア100前後のスコアの会員さんとのあるZoomセッションをもとに、
ここ数年ずっと感じていることを書いてみようと思います。
それは、
「ゴルフが崩れる原因は、技術より“集中力の使い方”にある」
という話です。
目次
「いいラウンドだったのに…」は、だいたいここから始まる
ラウンド後、こんな感想を聞くことがよくあります。
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「ショットは悪くなかったんですけどね」
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「ティーショットは前に行ってたんですよ」
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「セカンドも大きなミスはなかったです」
それなのにスコアを見ると、
ダボ、トリ、場合によってはそれ以上。
このギャップが生まれる場所は、
ほぼ間違いなくグリーンに近づいた瞬間です。
特に、
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残り10〜20ヤード
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越えなきゃいけない
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ライが微妙
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グリーンが速い
ここで一気に流れが止まります。
10〜20ヤードは「最も練習していない距離」
冷静に考えてみてください。
多くの人が練習場でやっているのは、
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フルショット
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7番、9番、PW
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たまに30〜50y
でも、
10〜20yはほぼやっていない。
それなのにラウンドでは、
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寄せなきゃ
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失敗できない
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ここ落とすとダボ
と、一番厳しい期待値を自分に課してしまう。
これは、構造的に無理があります。
なぜ「近づくほど怖くなる」のか
ここには、心理的な理由があります。
ティーショットやセカンドは、
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距離がある
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多少ズレても“まだ次がある”
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失敗しても取り返せる感覚がある
一方で、グリーン周りは違います。
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距離が短い
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ミスが即スコアに反映される
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逃げ場がないように感じる
つまり、
「結果がすぐ出る場所」ほど、脳は危険と判断する。
だから体は硬くなり、
判断は遅れ、
結果としてミスが増える。
これは性格の問題でも、
度胸の問題でもありません。
人間の構造です。
集中力を“出し切ろう”とする人ほど、18ホール持たない
よく、
「もっと集中しなきゃダメですよね」
と言われます。
でも、これは半分正しくて、半分間違いです。
集中力は、
出せば出すほど減っていく資源です。
18ホールずっと最大集中、は不可能。
にもかかわらず、
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ティーショットで全力
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セカンドも全力
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その結果、グリーン周りで力尽きる
これが、スコアが安定しない最大の理由です。
上手い人の「淡々」は、手抜きじゃない
ある程度スコアがまとまる人を見ていると、
不思議な共通点があります。
ティーショットが一番“雑”に見える。
もちろん本当は雑じゃありません。
でも、
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変に力まない
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完璧を狙わない
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OBさえなければOK
この“割り切り”ができています。
集中力は、
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グリーンに近づくにつれて
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少しずつ、少しずつ上げていく
この配分が自然にできるようになると、
18ホールの流れが安定します。
ショートゲームは「評価の場」にしない
ここで大事な考え方があります。
ショートゲームを“テスト”にしない。
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成功=合格
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失敗=ダメ
こういう扱いをすると、
感情の消耗が激しすぎます。
おすすめなのは、
ショートゲームは「体験」と「データ収集の場」
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このライだと、これくらい強く入る
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右足上がりだと、こんな結果になる
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速いグリーンだと、止まらない
この“材料”を集める時間。
評価しない。
反省しすぎない。
すると、不思議と次のホールのティーショットが落ち着きます。
「安全策でOB」が起きる本当の理由
もう一つ、よくある現象。
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右に逃げるつもりだった
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無理しない選択をした
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なのに、なぜかOB
これ、技術の問題ではないことが多いです。
原因は、
心のどこかに残った未練。
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本当は越えられるかも
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行けたら楽だよな
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ちょっとだけ振れば…
この状態で打つと、
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狙いが曖昧
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体も迷う
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結果が中途半端になる
逆に、
「今日はここは行かない」
「右に打つ。距離は残ってOK」
と腹をくくった時ほど、
驚くほどミスは減ります。
距離より「次が楽かどうか」
多くのアマチュアにとって、
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残り200y
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残り150y
この差は、思っているほど大きくありません。
むしろ、
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OB
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林
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池
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バンカー越え
こういった一発アウト要素の方が、
スコアに与える影響は圧倒的に大きい。
「遠くからでもボギーで上がれる」
この感覚を持てると、
ティーショットが一気に楽になります。
ゴルフは「同時に上手くならない」
最後に、いちばん大事な話です。
ゴルフは、
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ティーショット
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セカンド
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アプローチ
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パット
全部を同時に完成させるスポーツではありません。
順番があります。
今の段階では、
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ティーショット:OBを出さない
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セカンド:次が打てる
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ショートゲーム:経験値を積む
これで十分です。
できることが一つ増えるたびに、
自然と次が見えてきます。
スコアより、「流れ」を覚える
スコアは変動します。
でも、
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ラウンド中の落ち着き
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判断の速さ
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ミス後の立て直し
これらは確実に積み上がります。
まずはそこを増やす。
それができたとき、
気づいたらスコアは勝手についてきます。
ここまで読んで「これ、まさに自分だな」と感じたなら、
それは上達の入り口に立っている証拠です。
焦らず、順番を間違えず、
一緒に積み上げていきましょう。
最後に:この「配分」は、ひとりだとズレやすい
ここまで読んでいただいて、
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集中力の配分の話
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ティーショットとセカンドを“土台”にする考え方
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ショートゲームを「評価の場」にしないという視点
これらに、少しでも心当たりがあったなら——
あなたのゴルフは、もう次の段階に進む準備ができていると思います。
ただひとつ難しいのは、
この「配分」や「考え方」は、ひとりだとズレやすいということです。
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調子がいい日は忘れてしまう
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ミスが続くと、また全部に力を入れてしまう
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気づいたら、以前と同じ場所で悩んでいる
これは意志の弱さではありません。
ゴルフというゲームの構造上、ほぼ誰にでも起きます。
オンライン・ミックスについて
そこで僕は、
ラウンド・動画・やり取りを通して、
「今、どこに集中すべきか」を一緒に整理していく
《オンライン・ミックス》というプログラムを続けています。
特徴はとてもシンプルです。
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スイングを無理に変えない
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技術よりも「順番」と「考え方」を優先する
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ラウンドで起きたことを、そのまま材料にする
今回のブログで書いたような話は、
実際のラウンド映像やスコアカードを見ながら、
「あなたの場合は、今どこなのか?」を一緒に確認していきます。
スコアを追う前に、「流れ」を整える
ゴルフは、
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何をどこで頑張るか
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どこで力を抜くか
この設計がズレていると、
どれだけ練習しても同じところで止まります。
逆に言えば、
流れが整えば、スコアは後からついてきます。
もし、
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10〜20ヤードで毎回すり減っている
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いいショットのわりにスコアが残らない
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ラウンド後に「何が悪かったのかわからない」
そんな状態が続いているなら、
一度、整理する価値はあります。
ぜひオンライン・ミックスのページを覗いてみてください。