こんにちは、室屋修一です。
ゴルフのスコアを良くしたいと思ったとき、皆さんはどんなことを考えるでしょうか。
もっとパーを取れるようになりたい。できればバーディーも増やしたい。パーオンの回数を増やしたいし、アプローチももっとピンに寄せたい。
もちろん、どれも間違っているわけではありません。
ただ、実際にスコアを良くしている人たちが、どのようにスコアを改善しているのかを調べてみると、少し意外なことがわかります。
スコアが良くなる理由の大部分は、バーディーが増えることではなく、オーバーパーのホールが減ることなんです。
今回は、そんな興味深いデータを紹介しながら、普段のレッスンでも僕がよくお話ししている、スコアを良くするための考え方について書いてみようと思います。
スコアが5打良くなった人は、何が変わったのか?

アメリカのゴルフデータを分析した記事で、面白いものがありました。
アマチュアゴルファーのハンディキャップ別データに加えて、アメリカの大学ゴルファー、さらにPGAツアープロの成績まで調べたものです。
そこで比較していたのは、上達した人たちが、バーディーを増やすことでスコアを良くしているのか、それともボギーやダブルボギーを減らすことで良くしているのか、ということでした。
アマチュアの結果を見てみると、次のようになっています。
- ハンデ20から15:改善の96%がオーバーパーの減少
- ハンデ15から10:同じく96%
- ハンデ10から5:90%
- ハンデ5からスクラッチ:80%
例えば、ハンデ20の人と15の人を比較すると、バーディーの数は1ラウンドあたり平均でわずか0.2個しか違わなかったそうです。
18ホールで0.2個ですから、5ラウンドしてバーディーが1個増える程度の違いです。
それなのに、スコアには5打分の実力差がある。
つまり、スコアが良くなった理由のほとんどは、バーディーを増やしたことではなく、トリプルボギーをダブルボギーに、ダブルボギーをボギーに、ボギーをパーに変えられるようになったことなんですね。
さらに興味深いのは、この傾向が上級者になっても続くことです。
ハンデ5からスクラッチになるようなレベルでも、改善の80%はオーバーパーを減らしたことによるものだったそうです。
もちろん、これは集団を比較した統計データなので、すべてのゴルファーが同じ割合で上達するという意味ではありません。
それでも、スコアを良くするために何を優先するべきかを考えるうえでは、かなり参考になる数字だと思います。
大学ゴルファーやツアープロでも同じなのか?

この分析では、アメリカの大学ゴルファーとPGAツアープロについても調べています。
大学のトップレベルでプレーしている選手たちでも、成績の差の約68%は、オーバーパーのホールが少ないことによるものでした。
アマチュアほど極端ではありませんが、それでもバーディーを増やすことより、オーバーパーを減らすことの方が大きく影響していたわけです。
一方、PGAツアーのトップ選手になると、少し事情が変わります。
ツアーランキングのトップ10と11〜20位の選手を比較すると、スコアの差の57%は、バーディーやイーグルなどのアンダーパーのホールが多いことによるものでした。
つまり、世界のトップレベルになると、オーバーパーを減らすだけでなく、どれだけアンダーパーのホールを増やせるかが重要になってくるということです。
ただ、これは世界でもほんの一握りの選手たちの話です。
僕たちが普段プレーしているゴルフとは、少し分けて考えた方が良さそうですね。
では、ダブルボギーを減らすにはどうすればいいのか?

ここからが、僕が普段のレッスンでも大切にしていることです。
こうしたデータを見ると、「なるほど、じゃあダブルボギーを打たないようにすればいいんですね」と考える方もいると思います。
もちろん、それはその通りなんですが、ダブルボギーを打たないように気をつけるだけで減らせるなら、誰も苦労しませんよね(笑)。
大切なのは、なぜ、そのホールでダブルボギーになってしまったのかを考えることです。
例えば、パー4でダブルボギーを打ったとします。
ティーショットはまずまずだったものの、セカンドショットでグリーンを大きく外してしまい、難しい場所からアプローチすることになった。そこから寄せきれず、3パットしてダブルボギー。
こんなホールがあったとしましょう。
この場合、最後に3パットしたことが印象に残るので、パッティングを練習しなければと思うかもしれません。
でも、少し前のショットまで振り返ってみると、そもそもセカンドショットでグリーンを大きく外してしまったことが、難しいアプローチを生んでいます。
もっと言えば、セカンドショットを打つ場所が悪ければ、ティーショットの時点から問題が始まっていた可能性だってあります。
もちろん、この例なら3パットにも改善の余地がありますし、セカンドショットだけが悪かったと決めつけることもできません。
大事なのは、最後に起きたミスだけを見るのではなく、そこに至るまでの流れを振り返ることなんです。
スコアカードには、練習するべきことが書いてある

僕のオンラインレッスンでは、ラウンドを振り返る際に、ティーショット、ショット、アプローチ、パッティングという4つの項目に分けて考えてもらっています。
これは単にミスの数を数えたいからではありません。
自分のスコアが、どこで悪くなっているのかを知ってほしいからです。
例えば、100を切れない方でも、ティーショットのペナルティが多い人と、グリーン周りで何度も打ってしまう人では、優先する練習は違います。
同じように、90を切れない方でも、セカンドショットの精度が課題なのか、アプローチの距離感が課題なのかによって、取り組むことは変わってきます。
ここで気をつけたいのは、スコアを悪くしている項目がわかったからといって、その項目だけをひたすら練習すればいいとは限らないということです。
例えば、アプローチのミスが多かったとしても、毎回難しい場所からアプローチしているのであれば、その一つ前のショットを改善する方が、結果としてスコアが良くなるかもしれません。
こうしたことは、実際のラウンドを振り返ってみないと、なかなかわからないものです。
だから僕は、練習場で何ができたかということだけではなく、ゴルフ場で何が起きているのかを知ることが、とても大切だと思っています。
100切りも80切りも、考える順番は変わらない
以前にも書いたことがありますが、僕は100切りを目指している人も、80切りを目指している人も、スコアを良くするためにやることは基本的に同じだと思っています。
もちろん、求められるショットの精度や技術のレベルは違います。
ただ、自分の現在地を知って、スコアを悪くしている原因を見つけて、そこから優先順位を決めて練習する。
この順番は変わりません。
100を切れない人が、バーディーを取れるようになることを最優先にする必要はないでしょうし、80を切れない人が、毎ホールのようにピンを狙う必要もないと思います。
むしろ、今の自分が打っている大きな数字を、どうすれば少しずつ減らしていけるのか。
そこに目を向けた方が、スコアの改善につながりやすいはずです。
今回紹介したデータは、そんな普段から僕が考えていることを、別の角度から確認できるものでした。
次のラウンドで、ひとつだけ試してほしいこと
次にラウンドするときは、バーディーを何個取れたかということよりも、ダブルボギー以上を打ったホールを少し丁寧に振り返ってみてください。
そして、そのホールのスコアが悪くなったきっかけは、どのショットだったのかを考えてみてほしいんです。
必ずしも、最後にミスしたショットが原因とは限りません。
そうやってラウンドを振り返っていくと、次に練習場で取り組むべきことが、少しずつ見えてくると思います。
バーディーが取れたら、もちろん嬉しいですよね。僕だって嬉しいです(笑)。
ただ、スコアを良くするために、バーディーを増やすことが最優先とは限りません。
今の自分が打っている大きな数字を、ひとつずつ小さくしていく。
その積み重ねが、結果としてスコアを良くしてくれるんじゃないでしょうか。