こんにちは、室屋修一です。
先日、オンライン・ミックスの会員さんから、競技に出場したときのラウンド報告が届きました。
結果は、ご本人にとってかなり悔しいものだったようです。普段のラウンドと比べてもスコアが悪く、なかなか思うようにプレーできなかったとのことでした。
こういうことは、長くゴルフをやっていれば誰にでもあると思います。
特に競技になると、普段とは少し違う緊張感がありますし、最初の数ホールでミスが続いてしまうと、そこからなかなか自分のペースに戻れないこともありますよね。
同伴競技者のことが気になったり、プレーの進行を気にしたり、次こそはミスをしないようにと考えたり。
普段ならそれほど気にならないことが、調子の悪い日には妙に気になってしまうものです。
今回もスコアカードを送っていただいたので、ラウンドの内容を確認しながら返信動画を作ったのですが、その中でひとつ、お話ししたことがあります。
それは、調子が悪くなったとき、何に意識を向けるかということです。
これは競技に出る方だけでなく、普段のラウンドで100切りや90切りを目指している方にも、ぜひ知っておいてほしい考え方です。
調子が悪いときほど、自分のことが気になってしまう
例えば、あるホールでティショットを大きく曲げてしまったとします。
次のショットでもうまく当たらず、アプローチも寄らない。結局、そのホールでは普段より何打も多く打ってしまいました。
そして次のホールに向かう途中で、こんなことを考え始めます。
さっきのティショットは、どうしてあんなに曲がったんだろう。今日はテークバックがおかしいのかな。もう少しゆっくり振った方がいいのかな。
次のホールでは少し慎重に振ってみるのですが、今度はボールが右に飛んでいってしまう。
そうすると、ますます自分のスイングが気になり始めます。
今度はフェースの向きを気にしてみたり、体の回転を意識してみたり、普段は考えていないことまで考え始めたりします。
もちろん、こうした技術的な確認が必要な場面もあります。ただ、調子が悪くなるたびに自分の動きを細かく確認していると、いつの間にかラウンドそのものより、自分のスイングをどうにかすることに集中してしまう場合があります。
本来は、目の前の状況に対してどんなショットを打つかを考えるゲームなのに、気がつけば自分の動きを修正することが目的になっている。
これは、僕がこれまでいろいろな方のゴルフを見てきた中でも、よく感じることのひとつです。
まずは、自分以外のものに意識を向けてみる
では、こういうときにどうすればいいのでしょうか。
僕が今回の会員さんにおすすめしたのは、一度、自分以外のものに意識を向けてみるという方法です。
例えば、次のホールへ移動するときに、少しコース全体を眺めてみます。
今日はどちらから風が吹いているのか。フェアウェイはどちらに傾いているのか。木はどのあたりにあって、グリーンの周りにはどんな障害物があるのか。
あるいは、天気がいいなとか、今日は少し肌寒いなとか、そんなことでも構いません。
ゴルフ場には、自分以外にも注意を向けられるものがたくさんあります。
ところが、調子が悪くなってしまうと、そうした周りの状況があまり目に入らなくなってしまうことがあります。
さっきのミスを思い出したり、次のショットが不安になったり、自分のスイングのことばかり考えたり。
そんなときに、一度、意識を自分の外に向けてみるわけです。
これは、気分転換のためだけにおすすめしているわけではありません。
ゴルフというゲームで本来考えるべきことに、もう一度注意を戻していくためでもあります。
ゴルフは、自分のスイングだけを考えるゲームではない
僕は普段のレッスンでも、ラウンドの話から始めることを大切にしています。
というのも、ゴルフのスコアは、スイングの良し悪しだけで決まるものではないからです。
同じようなショットが打てたとしても、どこを狙ったのか、どんな状況から打ったのか、次のショットをどこから打つことになったのかによって、結果はずいぶん変わってきます。
例えば、ティショットでフェアウェイを外したとしても、次のショットが問題なく打てる場所であれば、それほど大きな問題にならないかもしれません。
反対に、フェアウェイにボールがあったとしても、次のショットで無理な場所を狙ってしまえば、そこからスコアを崩すこともあります。
つまり、ゴルフでは自分がどんなスイングをするかだけでなく、周りの状況をどう観察して、どんな判断をするかも大切なんですよね。
ところが調子が悪くなると、こうした判断に使うはずの注意まで、自分の動きを気にすることに使ってしまいがちです。
もちろん、スイングのことを考えてはいけないという意味ではありません。
ただ、コースの状況を十分に見ないまま、自分のスイングばかり気にしていても、なかなかいい判断にはつながらないと思うんです。
だからこそ、一度、自分以外のものを見てみる。
これは、ラウンド中に少し視点を変えるための、比較的簡単な方法だと思います。
広い視点から、少しずつ自分に戻していく
ここで大切なのは、意識を向ける順番です。
僕は、まず広い視点から始めて、そこから少しずつ自分のプレーに意識を戻していくといいと思っています。
例えば、次のティーイングエリアに立ったとします。
まずはホール全体を眺めてみます。どこにフェアウェイがあって、左右にはどんな障害物があるのか。風はどちらから吹いていて、グリーンはどのあたりに見えるのか。
そこから、もう少し具体的に考えていきます。
このホールなら、ティショットは右側に打った方が次のショットを打ちやすそうだな。左側には林があるけれど、右側なら多少曲がっても問題なさそうだな。
そんなふうに、まずはコースの状況を見ながら、どこにボールを運びたいかを決めていきます。
そして、その場所にボールを運ぶためには、どんなショットを打てばいいのかを考える。
最後に、自分のテンポやタイミングを確認して、いつも通りにスイングする。
こうして考えてみると、最初から最後まで自分のスイングを気にしているわけではないことがわかると思います。
コース全体から始まって、狙う場所、打ちたいショット、そして最後に自分の動きへと、少しずつ注意を移していくわけです。
この順番は、調子のいい日にも役立つと思いますが、特に調子の悪いときには意識してみる価値があると思います。
スイングのテンポだけでなく、歩くテンポも
もうひとつ、今回の返信動画でお話ししたのが、テンポについてです。
テンポというと、多くの方はスイングのテンポを思い浮かべると思います。
もちろんそれも大切なのですが、僕は歩くテンポや、ショットの準備をするテンポも、意外と気にしておくといいと思っています。
例えば、ミスが続いたときに、いつもより急いで次のショットを打とうとしていないでしょうか。
あるいは反対に、普段よりずいぶん時間をかけて構えたり、何度も素振りを繰り返したりしていないでしょうか。
調子が悪くなると、こうした普段の動作まで変わってしまうことがあります。
スイングの細かい部分を修正するのは簡単ではありませんが、歩く速さやショットまでの準備の仕方なら、比較的意識しやすいと思います。
いつもと同じように歩く。いつもと同じようにボールの後ろから目標を見る。そして、いつもと同じような手順でショットに入っていく。
こうしたことも、自分のペースを取り戻すためのひとつのきっかけになるかもしれません。
大切なのは、調子が悪いからといって、普段やっていないことを次々に増やさないことだと思います。
悪いラウンドを、すぐに直そうとしなくてもいい
今回の会員さんにもお伝えしたのですが、思うような結果にならなかったからといって、すぐに何かを大きく変える必要があるとは僕は思っていません。
もちろん、ラウンドを振り返って、次に向けて改善できそうなことを探すのは大切です。
ただ、一度の悪いラウンドだけで、これまで練習してきたことが間違っていたと判断する必要もないと思います。
特に競技では、普段とは違う緊張感の中でプレーすることになりますし、ミスが続いてしまったときに、なかなか立て直せないことだってあります。
そういう経験も、ゴルフを続けていく上では大切なものだと思うんですよね。
今回のように、調子が悪くなったときに自分のことばかり考えていたかもしれない、と気づくことができれば、それだけでも次につながる材料になります。
次に同じような状況になったとき、少しコースを眺めてみようかなとか、歩くテンポを普段通りにしてみようかなとか。
そうした選択肢がひとつ増えるだけでも、今回のラウンドには意味があったと言えるんじゃないでしょうか。
もちろん、この方法を試せば必ず調子が戻るというわけではありません。
一度崩れたら、最後までなかなか戻せない日もありますし、どんなことをやってもうまくいかないラウンドだってあります。
それでも、そのたびに新しいスイングの修正方法を探すよりは、まずは普段の自分のプレーに戻るための方法を持っておく。
僕はその方が、長い目で見たときにも役立つと思っています。
次のラウンドで、ひとつだけ試してみてください
もし次のラウンドでミスが続いたり、普段のようにプレーできなくなったりしたら、ひとつだけ試してみてください。
次のショットを打つ前に、一度、周りを少し広い視点で眺めてみる。
風がどちらから吹いているのか、コースはどんな形をしているのか、どこにボールを運ぶと次のショットが打ちやすそうなのか。
そうした自分以外のことに少し注意を向けてから、改めて自分のプレーに戻ってみてください。
無理に気持ちを切り替えようとする必要もありませんし、さっきのミスを忘れようと頑張る必要もありません。
ただ、今のホールがどんな状況なのかを、もう一度見てあげるだけです。
僕自身も、こうした注意の向け方は、これまでの経験の中で取り入れてきたことのひとつです。
毎回うまくいくわけではありませんが、考える順番を変えてみることで、少しずつ普段のプレーに戻れることもあります。
ゴルフの調子が悪いときほど、自分のことを考えすぎない。
次のラウンドでは、ぜひそんなことも少し意識してみてください。