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ミスは技術じゃない。“プラン”でゴルフが決まるという話

2025年12月4日 by 室屋 修一

こんにちは、室屋修一です。

ありがたいことに、最近はオンラインでのご相談も増えてきて、
毎月たくさんのラウンドの話や、シミュレーション練習の動画を送っていただきます。

先日も、あるオンライン・ミックスのメンバーさんとZoomでお話ししていて、
「これは多くのゴルファーに共有したいな」と感じた場面がありました。

テーマは一言でいうと、

ミスは技術じゃなくて、“プラン”で起きている

という話です。


目次

  • パー5の3打目が教えてくれたこと
  • 脳は「OBに行くな」を理解できない
  • 「どこに・どんな球を打つか」を決めた時点で、ほぼ勝負がついている
  • 「技術点はもう90点超え」問題
  • シミュレーション練習を“作業”で終わらせない工夫
  • 今日からできる“プランゴルフ”の3つのポイント
  • おわりに:スイングではなく「考え方」を整えたい方へ

パー5の3打目が教えてくれたこと

その方は、ここ数ヶ月でかなりショットが安定してきている方です。

  • シミュレーションではドライバーのボールスピードも上がってきた

  • ユーティリティ以下は、右へのスッポ抜けもだいぶ減ってきた

  • ラウンドでも、OBが少し減ってきている

スコアでいうと、「90中盤〜後半を行き来しているゾーン」ですね。

Zoom中に、パー5の3打目の写真と動画を一緒に見ました。
ラフからのショットで、手前には少しプレッシャーのかかる状況。

でも、その3打目はとても印象的でした。

インパクト後のフィニッシュを見た瞬間に、

「あ、“右に行かせない球”を、ちゃんとイメージして打ったな」

というのが分かる形になっていたんです。

  • フィニッシュでの手首の形

  • 上体の向き

  • ボールが出ていく高さ

全部が、「この高さで、ここから先は右に行かないでくれよ」という顔をしていました。

これ、単に「ナイスショットでしたね!」で終わらせるにはもったいないポイントです。

何を考えて打ったかが、そのまま体の動きとフィニッシュに出ていた。
これが、このレベル帯ではものすごく大事になってきます。


脳は「OBに行くな」を理解できない

一方で、その方が悩んでいるのは、まさに多くの方がハマるポイントでもあります。

左がOBになると、とたんに振れなくなる
右に逃がしたくなる → でも右にすっぽ抜ける
「左に打って、右に戻す球」がどうしてもイメージできない

ここで出てきたのが、ちょっと変な例え話です。


「今から、黄色い豚を思い浮かべてください」

…

想像できましたよね?

では次に、

その黄色い豚を忘れてください

と言われたら、どうでしょう。

たぶん余計に黄色い豚が頭の中をうろうろするはずです。
これが、僕らの脳の構造です。

脳は、

  • 「黄色い豚」というイメージ

  • 「OB」や「池」や「バンカー」

といった言葉を、一度イメージしたらなかったことにできないんですね。


つまり、

  • 「OBに行かないように」

  • 「池に入れないように」

  • 「左だけは絶対ダメ」

こういった言葉を繰り返すほど、
脳内ではOBや池のイメージが強くなってしまいます。

その結果、スイングや狙いが「避けたいもの基準」になってしまう。

  • OBを避けようとして、逆にOBに近づく

  • 池を避けようとして、意味のない安全方向に打ってしまう

こういうことが起きるのは、メンタルが弱いからではなく、
ただ脳の仕組みがそうなっているだけです。


「どこに・どんな球を打つか」を決めた時点で、ほぼ勝負がついている

じゃあどうすればいいのか。

答えはシンプルで、

避けたい場所ではなく、
「どこに・どんな球を打つか」を先に決めてから構える

これだけです。

  • どの高さで

  • どれくらいのカーブで

  • どの範囲に収まればOKなのか

これをざっくりでもいいので決めてから構えると、
今回のパー5の3打目のように、フィニッシュに“考えていたこと”がちゃんと出てくるようになります。

ミスがゼロになるわけではありません。
OBもゼロにはできません。

でも、

  • 「なんでこんなところに打っちゃったんだろう…」

  • 「打つ前に何も考えてなかったな…」

という“後悔の質”は、かなり減ります。

そしてこのレベル帯(90切り〜80台チャレンジのゾーン)では、
この「プランの質」が、スコアを左右する割合がどんどん大きくなっていきます。


「技術点はもう90点超え」問題

このあたりの話をすると、

「いやいや、自分はまだまだ技術が…」

とおっしゃる方が多いのですが、
数字だけを冷静に見ると、けっこう違う景色が見えてきます。

  • 1ラウンドでOBが3〜5発出ても、90台中盤で回る日がある

  • OBが少ない日は、80台後半になりそうな内容の日もある

  • シミュレーションではドライバーのボールスピードも伸びてきている

こういう方は、ティーショット〜セカンドまでの「技術点」は、90切りに対してすでに90点を超えています。

そこから先は、

  • どの位置から

  • どんなパットを打ちたいのか

を考えてから、グリーン手前のショットを打てるかどうかで、
スコアが変わってくるフェーズです。

パターの「フォーム」を熱心に練習する前に、

  • 3〜5mは「入れにいくことを考えてみる距離」

  • 10〜15mは「3パットだけは避けたい距離」

といった、自分なりの“ゲームの前提”を決めること。

そして、

その前提から逆算して、
「どこに乗せればいいか」を考えて打つ

ここを整えるだけでも、スコアのまとまり方はかなり変わります。


シミュレーション練習を“作業”で終わらせない工夫

インドアのシミュレーター練習は、とても便利です。

  • 距離も出る

  • スマッシュファクターも出る

  • コースも疑似体験できる

一方で、慣れてくると「作業化」してしまう危険もあります。

  • いつも同じコースを

  • いつも同じクラブで

  • なんとなく回ってしまう

これだと、
「球を打つのは上手くなるけど、ゴルフはあまり上手くならない」という状態になりがちです。

そこでおすすめなのが、
あえて“いつもと違うルート”で回る日をつくること。

例えば……

  • 400yくらいのパー4で、

    • 1回目はいつも通り ドライバー → ショートアイアン

    • 2回目は あえてUTでティーショット → 2打目ミドルアイアン

  • パー5では、

    • 「このホールは全部8番アイアンで行けるところまで行く」

    • 「1打目UT、2打目UT、3打目だけウェッジ」にしてみる

こうやって、
わざと条件を変えた時に「どれが自分にとって一番簡単に感じるか?」を体感する。

これも立派な「プランの練習」です。


今日からできる“プランゴルフ”の3つのポイント

最後に、今日からすぐにできることを3つにまとめておきます。


① 打つ前に、一言でいいので「どこに・どんな球か」を言語化してみる

  • 「フェアウェイ右サイドに、低めのドロー」

  • 「グリーン手前10yの花道に、少し高めに」

心の中でつぶやくだけでOKです。
これをやるだけで、フィニッシュの形が変わってきます。


② 「OBに行かないように」ではなく、「ここに打つ」という言葉を使う

  • 「左に行かないように」ではなく「右サイドのラフでOK」

  • 「池に入れないように」ではなく「池の手前20yの安全地帯に」

避けたいものではなく、打ちたい場所に言葉を向けること。
脳を味方につける、シンプルだけど強力なコツです。


③ シミュレーションでは、週に1回“いつもと違うルート”で回る日を作る

  • あえてUTスタート

  • あえて全部同じ番手で行けるところまで行く

  • いつもと全然違うクラブ構成で回ってみる

「自分にとって、どのルートが一番楽か?」
この発見が、そのままコース戦略の武器になります。


おわりに:スイングではなく「考え方」を整えたい方へ

スコアが100台→90台→80台と変わっていく時、
途中まではスイングの修正も役割を持ちます。

でも、あるラインを超えたところからは、

「どう打つか」だけでなく
「何を考えて打つか」

の比重が、ぐっと大きくなっていきます。

もし今、

  • 練習ではそこそこいい球が出る

  • シミュレーションの数値も悪くない

  • でも、スコアがもう一歩縮まらない

と感じているなら、
それは技術不足というより“プランのフェーズに入ったサイン”かもしれません。

オンライン・ミックスでは、

  • ラウンドの話

  • シミュレーションでのデータ

  • 練習動画

などをもとに、
「スイング」だけでなく「考え方」と「ゲームプラン」も一緒に整えていくお手伝いをしています。

興味があれば、また詳しくご紹介しますね。

今日のラウンドで、
1ホールだけでもいいので、

「どこに、どんな球を打つか」

を決めてから構えてみてください。
それだけで、いつもと違う感覚がきっと出てくるはずです。


ここまで読んで「考え方を整えるだけで、こんなに変わるのか」と感じた方へ。

僕がオンライン・ミックスでやっていることは、
まさに “今日の内容を、あなたのラウンドに合わせて一緒に作る作業” です。

  • 練習では良いのにコースで崩れる

  • OB・池があると途端に迷いが出る

  • プランを立てるのが苦手で、結局“その場の勘”で打ってしまう

  • シミュレーターの数字は良いのに、スコアにつながらない

もしそんな悩みがあるなら、
それは技術より「考え方」「狙い方」のフェーズに入り始めているサインです。

オンライン・ミックスでは、

  • ラウンドや練習動画のフィードバック

  • シミュレーション練習の使い方

  • コースでの“狙い方”の設計

  • スイングより「考え方」を整えるための伴走

を、月単位で継続してサポートしています。

短期のレッスンで“その場だけ良くなる”ではなく、
“自分で考えて、自分でスコアを作れるゴルファー”を目指すためのサービスです。

興味があれば、こちらで詳しく紹介しています:

カテゴリオンラインレッスン, レッスン

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