こんにちは、室屋修一です。
ありがたいことに、最近はオンラインでのご相談も増えてきて、
毎月たくさんのラウンドの話や、シミュレーション練習の動画を送っていただきます。
先日も、あるオンライン・ミックスのメンバーさんとZoomでお話ししていて、
「これは多くのゴルファーに共有したいな」と感じた場面がありました。
テーマは一言でいうと、
ミスは技術じゃなくて、“プラン”で起きている
という話です。
目次
パー5の3打目が教えてくれたこと
その方は、ここ数ヶ月でかなりショットが安定してきている方です。
-
シミュレーションではドライバーのボールスピードも上がってきた
-
ユーティリティ以下は、右へのスッポ抜けもだいぶ減ってきた
-
ラウンドでも、OBが少し減ってきている
スコアでいうと、「90中盤〜後半を行き来しているゾーン」ですね。
Zoom中に、パー5の3打目の写真と動画を一緒に見ました。
ラフからのショットで、手前には少しプレッシャーのかかる状況。
でも、その3打目はとても印象的でした。
インパクト後のフィニッシュを見た瞬間に、
「あ、“右に行かせない球”を、ちゃんとイメージして打ったな」
というのが分かる形になっていたんです。
-
フィニッシュでの手首の形
-
上体の向き
-
ボールが出ていく高さ
全部が、「この高さで、ここから先は右に行かないでくれよ」という顔をしていました。
これ、単に「ナイスショットでしたね!」で終わらせるにはもったいないポイントです。
何を考えて打ったかが、そのまま体の動きとフィニッシュに出ていた。
これが、このレベル帯ではものすごく大事になってきます。
脳は「OBに行くな」を理解できない
一方で、その方が悩んでいるのは、まさに多くの方がハマるポイントでもあります。
左がOBになると、とたんに振れなくなる
右に逃がしたくなる → でも右にすっぽ抜ける
「左に打って、右に戻す球」がどうしてもイメージできない
ここで出てきたのが、ちょっと変な例え話です。
「今から、黄色い豚を思い浮かべてください」
…
想像できましたよね?
では次に、
その黄色い豚を忘れてください
と言われたら、どうでしょう。
たぶん余計に黄色い豚が頭の中をうろうろするはずです。
これが、僕らの脳の構造です。
脳は、
-
「黄色い豚」というイメージ
-
「OB」や「池」や「バンカー」
といった言葉を、一度イメージしたらなかったことにできないんですね。
つまり、
-
「OBに行かないように」
-
「池に入れないように」
-
「左だけは絶対ダメ」
こういった言葉を繰り返すほど、
脳内ではOBや池のイメージが強くなってしまいます。
その結果、スイングや狙いが「避けたいもの基準」になってしまう。
-
OBを避けようとして、逆にOBに近づく
-
池を避けようとして、意味のない安全方向に打ってしまう
こういうことが起きるのは、メンタルが弱いからではなく、
ただ脳の仕組みがそうなっているだけです。
「どこに・どんな球を打つか」を決めた時点で、ほぼ勝負がついている
じゃあどうすればいいのか。
答えはシンプルで、
避けたい場所ではなく、
「どこに・どんな球を打つか」を先に決めてから構える
これだけです。
-
どの高さで
-
どれくらいのカーブで
-
どの範囲に収まればOKなのか
これをざっくりでもいいので決めてから構えると、
今回のパー5の3打目のように、フィニッシュに“考えていたこと”がちゃんと出てくるようになります。
ミスがゼロになるわけではありません。
OBもゼロにはできません。
でも、
-
「なんでこんなところに打っちゃったんだろう…」
-
「打つ前に何も考えてなかったな…」
という“後悔の質”は、かなり減ります。
そしてこのレベル帯(90切り〜80台チャレンジのゾーン)では、
この「プランの質」が、スコアを左右する割合がどんどん大きくなっていきます。
「技術点はもう90点超え」問題
このあたりの話をすると、
「いやいや、自分はまだまだ技術が…」
とおっしゃる方が多いのですが、
数字だけを冷静に見ると、けっこう違う景色が見えてきます。
-
1ラウンドでOBが3〜5発出ても、90台中盤で回る日がある
-
OBが少ない日は、80台後半になりそうな内容の日もある
-
シミュレーションではドライバーのボールスピードも伸びてきている
こういう方は、ティーショット〜セカンドまでの「技術点」は、90切りに対してすでに90点を超えています。
そこから先は、
-
どの位置から
-
どんなパットを打ちたいのか
を考えてから、グリーン手前のショットを打てるかどうかで、
スコアが変わってくるフェーズです。
パターの「フォーム」を熱心に練習する前に、
-
3〜5mは「入れにいくことを考えてみる距離」
-
10〜15mは「3パットだけは避けたい距離」
といった、自分なりの“ゲームの前提”を決めること。
そして、
その前提から逆算して、
「どこに乗せればいいか」を考えて打つ
ここを整えるだけでも、スコアのまとまり方はかなり変わります。
シミュレーション練習を“作業”で終わらせない工夫
インドアのシミュレーター練習は、とても便利です。
-
距離も出る
-
スマッシュファクターも出る
-
コースも疑似体験できる
一方で、慣れてくると「作業化」してしまう危険もあります。
-
いつも同じコースを
-
いつも同じクラブで
-
なんとなく回ってしまう
これだと、
「球を打つのは上手くなるけど、ゴルフはあまり上手くならない」という状態になりがちです。
そこでおすすめなのが、
あえて“いつもと違うルート”で回る日をつくること。
例えば……
-
400yくらいのパー4で、
-
1回目はいつも通り ドライバー → ショートアイアン
-
2回目は あえてUTでティーショット → 2打目ミドルアイアン
-
-
パー5では、
-
「このホールは全部8番アイアンで行けるところまで行く」
-
「1打目UT、2打目UT、3打目だけウェッジ」にしてみる
-
こうやって、
わざと条件を変えた時に「どれが自分にとって一番簡単に感じるか?」を体感する。
これも立派な「プランの練習」です。
今日からできる“プランゴルフ”の3つのポイント
最後に、今日からすぐにできることを3つにまとめておきます。
① 打つ前に、一言でいいので「どこに・どんな球か」を言語化してみる
-
「フェアウェイ右サイドに、低めのドロー」
-
「グリーン手前10yの花道に、少し高めに」
心の中でつぶやくだけでOKです。
これをやるだけで、フィニッシュの形が変わってきます。
② 「OBに行かないように」ではなく、「ここに打つ」という言葉を使う
-
「左に行かないように」ではなく「右サイドのラフでOK」
-
「池に入れないように」ではなく「池の手前20yの安全地帯に」
避けたいものではなく、打ちたい場所に言葉を向けること。
脳を味方につける、シンプルだけど強力なコツです。
③ シミュレーションでは、週に1回“いつもと違うルート”で回る日を作る
-
あえてUTスタート
-
あえて全部同じ番手で行けるところまで行く
-
いつもと全然違うクラブ構成で回ってみる
「自分にとって、どのルートが一番楽か?」
この発見が、そのままコース戦略の武器になります。
おわりに:スイングではなく「考え方」を整えたい方へ
スコアが100台→90台→80台と変わっていく時、
途中まではスイングの修正も役割を持ちます。
でも、あるラインを超えたところからは、
「どう打つか」だけでなく
「何を考えて打つか」
の比重が、ぐっと大きくなっていきます。
もし今、
-
練習ではそこそこいい球が出る
-
シミュレーションの数値も悪くない
-
でも、スコアがもう一歩縮まらない
と感じているなら、
それは技術不足というより“プランのフェーズに入ったサイン”かもしれません。
オンライン・ミックスでは、
-
ラウンドの話
-
シミュレーションでのデータ
-
練習動画
などをもとに、
「スイング」だけでなく「考え方」と「ゲームプラン」も一緒に整えていくお手伝いをしています。
興味があれば、また詳しくご紹介しますね。
今日のラウンドで、
1ホールだけでもいいので、
「どこに、どんな球を打つか」
を決めてから構えてみてください。
それだけで、いつもと違う感覚がきっと出てくるはずです。
ここまで読んで「考え方を整えるだけで、こんなに変わるのか」と感じた方へ。
僕がオンライン・ミックスでやっていることは、
まさに “今日の内容を、あなたのラウンドに合わせて一緒に作る作業” です。
-
練習では良いのにコースで崩れる
-
OB・池があると途端に迷いが出る
-
プランを立てるのが苦手で、結局“その場の勘”で打ってしまう
-
シミュレーターの数字は良いのに、スコアにつながらない
もしそんな悩みがあるなら、
それは技術より「考え方」「狙い方」のフェーズに入り始めているサインです。
オンライン・ミックスでは、
-
ラウンドや練習動画のフィードバック
-
シミュレーション練習の使い方
-
コースでの“狙い方”の設計
-
スイングより「考え方」を整えるための伴走
を、月単位で継続してサポートしています。
短期のレッスンで“その場だけ良くなる”ではなく、
“自分で考えて、自分でスコアを作れるゴルファー”を目指すためのサービスです。
興味があれば、こちらで詳しく紹介しています: