こんにちは、室屋修一です。
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ラウンド中に出会う“見た目はチャンス”なホール
想像してみてください。
あなたは今、350ヤード前後の右ドッグレッグのパー4のティーグラウンドに立っています。
右サイドには林が続き、グリーン手前には大きなバンカー。ピンはフェアウェイの先にわずかに見えるけれど、その間には「ここだけは入れたくない」という罠がはっきりと存在しています。
「ドライバーで思い切って攻めればバーディも狙える」
「いや、ユーティリティで刻んで確実にパーを拾うべきか」
同伴者は迷わずドライバーを手に取り、豪快にスイング。ところが少しフェースが開いて右の林へ…。
次の人はユーティリティで安全に、と思ったのにフックが強く出てバンカーに一直線…。
あなたの番になった時、頭に浮かぶのは「どうすればこのホールを無難に乗り切れるか?」という問いです。
一見、攻めればチャンスに見えるホール。
でも実際には、ちょっとしたズレで「最難関のバンカーショット」が待っている。
こういうシチュエーションは、ラウンド中に何度も出てきます。
一番避けたいのは「30〜40ヤード残るバンカー」
このホールで最も避けたいのは、グリーン手前のバンカーです。
しかも「絶妙に届いてしまう距離」で入ると、残るのは30〜40ヤード。
この距離のバンカーショットは、プロでも簡単ではありません。
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フルスイングできないため距離感が難しい
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クリーンに入ればホームラン、ダフれば砂遊び
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奇跡的に出てもピンに寄せるのは至難の業
結果はどうなるか。
「バンカー → オーバー → アプローチ → 2パット」
あっという間にダボ、トリの可能性が高まります。
そして怖いのは“スコア”だけではありません。
ミスをきっかけに気分が落ち込み、次のホールでもリズムを崩す。
これがラウンド全体の流れを壊してしまうんです。
だからこそ、まず考えるべきは 「ここにだけは残さない」 という一点です。
調子の良い日だけを前提にしない
理想はもちろんあります。
ユーティリティでまっすぐ打って、軽いフックで花道に残し、そこから寄せてパー。
Kさんから送ってもらった練習動画でも、1球目や3球目は本当にお手本のような内容でした。
しかしゴルフは練習場と違って「毎回ベストショットが出るわけではない」スポーツです。
ラウンドに出れば、必ず「今日は曲がる日」「当たりが薄い日」があります。
だからこそ、**調子が悪い日でも戦える“逃げのショット”**をあらかじめ準備しておく必要があるんです。
練習しておきたい“逃げの2パターン”
ここで今回ぼくが勧めたのは、次の2つのオプションです。
1. ユーティリティで右に逃がす
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狙いはバンカーの真ん中
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フェースを少し開き、軽いスライス気味でもOK
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右のラフに行っても次が打てれば合格
「右に行ってもいい」という安心感があると、無駄な力みが消えます。
その心理的余裕こそ、安定したショットを支えてくれるのです。
2. 8番アイアンでバンカー手前に刻む
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あえてバンカーに届かないクラブを選ぶ
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残り40〜50ヤードのアプローチを前提にする
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難しい状況を避け、普通のアプローチで勝負する
多くの人は「刻むとチャンスがなくなる」と思いますが、実際には逆。
「絶対に入れてはいけない場所」を避けられることが、スコアを守る最善策になります。
ピン位置によって変わる戦略
戦略を選ぶとき、ピン位置は無視できません。
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ピンが中央〜手前
→ 刻んでも十分寄せワンを狙える。安全策が正解。 -
ピンが左の奥
→ バンカー越えが残るので、ユーティリティで右に逃がした方が次が楽。
→ ラフに残っても、正面から攻められる状況の方がはるかに有利。
つまり大事なのは、**「ピンを直接狙わない勇気」**です。
常にベストショットを期待するのではなく、ナイスショットが出なくてもスコアを守れる位置に置くこと。
これが“期待値ゴルフ”の考え方です。
ラウンド中によくある心理
実際のラウンドで、こんな気持ちになったことはありませんか?
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「せっかくここまで来たんだからピンを狙いたい」
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「刻むと負けた気がする」
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「仲間の前で安全策を取るのは恥ずかしい」
でも、その“見栄”や“欲”こそがスコアを崩す最大の原因です。
ぼくが見てきた生徒さんも、Kさんも、多くが同じように「刻んでおけばよかった」と振り返ります。
逆に、逃げのオプションを準備していた人は迷いません。
迷わずショットに集中できるので、結果的に再現性も高まります。
まとめ:逃げのオプションが余裕を生む
今回のKさんのショットはとても良いものでした。
しかしさらに余裕を持ってプレーするためには、「逃げの選択肢」を持っておくことが大切です。
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ユーティリティで右に逃がす
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8番でバンカー手前に刻む
この2つを練習に取り入れるだけで、ラウンド中の安心感はまるで違ってきます。
調子が悪い日でも「逃げの練習をしてある」という安心感があるだけで、大叩きを防ぎ、スコアを安定させられるはずです。
👉 あなたも普段のラウンドで「逃げ方」を準備していますか?
もしまだ自信がないなら、ぜひ オンライン・ミックス で一緒に整理してみましょう。
あなたのよく行くコースや得意クラブに合わせて、具体的な“逃げのオプション”を設計していけます。