こんにちは、室屋修一です。
「練習場ではうまく打てるのに、コースだと別人みたいになる」
「まっすぐ飛ばしたい」「ちゃんと当てたい」と思うほど力んでしまう。
この“ギャップ”をどうにかしたい──そう感じている人は本当に多いです。
そして多くの場合、皆さんが思っているよりも、
原因はスイングではなく“時間の使い方”にあるんです。
今回は、オンライン・ミックス会員のKさんから届いたメールに返信した内容を基に書いていきます。
練習とコースをつなぐ最大の壁
練習場では、何も考えずにポンポン打てる。
ミスしても、すぐ次の球で修正できる。
でもコースでは、そうはいかない。
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打てるチャンスは1回だけ
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打つ前の“間”が長い
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結果がスコアに直結する
だから、同じスイングをしても、全く違うメンタル状態になります。
多くのゴルファーが“スイング”を変えようとしますが、
実際にはプレーのリズム設計を変えた方が早い。
ラウンド1打=3分間の「小さな世界」
1ラウンド18ホール、1打ごとに小さな世界があります。
それを4つの時間に分けて考えてみましょう。
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オフショット(OFF-SHOT)
歩く・待つ・他の人のプレーを見る時間 -
プリショット(PRE-SHOT)
構えるまでの準備・狙い決定・ルーティン -
インショット(IN-SHOT)
実際にスイングしている時間 -
ポストショット(POST-SHOT)
打った後の30秒間、結果を受け止める時間
この4つで、だいたい3分くらい。
スイングそのもの(③)はたった数秒。
つまりゴルフの9割以上は、“打っていない時間”です。
「打っていない時間」に何をしているか?
調子が良い人ほど、この“打っていない時間”の過ごし方が安定しています。
・歩くときに、ショットの反省を引きずらない
・前の人のプレーを見ながらも、自分をリラックスさせている
・次に打つ前、必要なことだけ考えている
逆に、調子を崩す人は、
歩きながらも頭の中で「なんで右に出たんだろう…」「次こそ真っすぐに…」と考え続けています。
思考が“前のショット”に縛られたまま、次を打ってしまう。
これでは同じミスを繰り返すのも無理はありません。
「打った後の30秒」を整えるだけで流れが変わる
ここで使えるのが、今回のテーマ──
「打った後の30秒ルール」
コースで起きる“乱れ”のほとんどは、切り替えの遅れです。
人間の脳は、感情を抱えたままでは次の集中モードに入れません。
だからこそ、打った直後の30秒間で“完結”させることが大切です。
「打った後の30秒ルール」実践ステップ
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事実を整理する
例:「7番アイアン、ピン左5ヤード」
→ まずは“何が起きたか”を客観的に言葉にします。 -
要因を1つだけ考える
例:「アライメントがすぐ決まった」「風を読み切れなかった」
→ たった1つだけでOK。3つ考えると脳がオーバーヒートします。 -
感情をラベルづけする
例:「嬉しい」「悔しい」「惜しい」
→ 感情に名前をつけて、深呼吸1回。これで完結。
たったこれだけで、次の1打に「余計な思考」を持ち越さなくなります。
これをやる人とやらない人では、後半の集中力に明らかな差が出ます。
「無心」を作る必要はない
「何も考えずに打てたらいいのに」
そんな言葉を聞くことがあります。
でも、“無心になろうとする”ほど、無心から遠ざかります。
本当に無心で打てている人というのは、
思考の整理と感情のリセットが自然にできている人です。
「整ったリズムの先に自然体がある」──これが本質です。
OFF-SHOTではあえて“ゴルフ以外”を考える
打った後の整理が終わったら、歩いている間は何も考えない時間を作りましょう。
たとえば:
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「次は昼ごはん何食べようかな」
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「このホール、風気持ちいいな」
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「芝の色がきれいだな」
そんな“どうでもいいこと”を考える時間が、実は脳のリセットを助けます。
これが自然とメンタルの波を小さくしてくれるんです。
プリショットは「生まれるもの」
多くの人が「ルーティンを作ろう」と頑張りますが、
本当の意味で機能するルーティンは**“生まれる”もの**です。
「ポストショットで整理」→「オフショットでリセット」→「プリショットで再集中」
この流れが安定してくると、プリショットの形は勝手に定まります。
順番を逆にして“形”から入ると、たいてい固まります。
まずは、後ろ(打った後)から整えていくのが自然な順序です。
ラウンドでの実践法:まず6ショットだけ
いきなり18ホール全部でやろうとすると、意識が散ります。
まずは1ラウンドの中で、6ショットだけ「打った後の30秒」を実践してみてください。
スコアカードの余白に、
「○:番手ジャスト」「×:右5y(狙い強気)」
と一言メモするだけでも十分です。
たったそれだけでも、プレーの流れが変わります。
後半で疲れにくくなり、ショットが安定し始めます。
練習場でもできる簡単ドリル
この考え方は、練習場でも試せます。
例えば──
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7球を1ホールと見立てて、毎回「打った後の30秒」を実施
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打点の場所を口に出して整理(「ややトウ寄り」「薄め」など)
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次の球を打つ前に深呼吸を1回
練習中でも、プレーの“リズム設計”は鍛えられます。
よくある落とし穴
反省を歩きながら続ける
→ 対策:30秒経ったら“帽子に触れる”など、自分なりの終了サインを作る。
原因を毎回変える
→ 対策:そのラウンド中は仮説を固定。検証は次の練習で。
プリショットを複雑にする
→ 対策:考えるのは「1つだけ」。残りは打った後に整理。
まとめ:「自然体」は時間設計の副産物
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無心は「目指すもの」ではなく「整った結果」
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“打った後の30秒”が次のショットを決める
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プリショットやルーティンは後からついてくる
今日のワンアクション
次のラウンドで、6ショットだけ“打った後の30秒ルール”をやってみてください。
たった6球でも、意識のリズムが変わり、
驚くほどプレー全体が落ち着きます。
スイングを変えなくても、
「意識の設計」を変えるだけで、結果は変わります。
それが“大人のゴルフ”を安定させるいちばんの近道です。
おわりに:プレーの「整え方」を、体感で学びたい方へ
今回お話しした「打った後の30秒ルール」は、
実際にやってみると、ラウンドの流れが見違えるほど変わります。
ただ、頭では理解できても、いざ現場ではなかなかうまく切り替えられない──
そんなときこそ、実際の映像やリアルなケースを一緒に振り返る体験が効果的です。
私のオンライン・レッスンプログラム
👉 オンライン・ミックス
では、あなたのショット動画をもとに、
「練習とコースをどうつなげるか?」を具体的に設計していきます。
一方的なアドバイスではなく、
一緒に“あなたのプレーリズム”を見つけていくスタイルです。
「練習場ではできるのに、コースで出ない」
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